最近の読書で、タイトルのイメージと内容が随分違うなと思った本。
宇佐見りん「推し、燃ゆ」
わざわざ「燃える」を「燃ゆ」と表現しているくらいなので主人公が古風とか気骨のある人物かと思ったら、全然違った。
なぜこれほどまでにやる気がないのかと呆れながら読み進め、ラストに何かしらのどんでん返しを期待するもそんなものはなく。
やる気がないと言っても、男性アイドルの追っかけ(推し活)には随分熱心な様子で、推しブログを長文で書き、他のファンの動向にアンテナを張るのも怠らず。
ブログの部分を読むに知能が足りないわけではなさそうで。
自分のしたいことだけをして生きていきたいというのは甘えなのだよ。
人生における判断基準を「自分にとって楽な道であるかどうか」にしている人に運は向かない。
どうすれば今より良い環境が得られるだろう?とトライアンドエラーを地道に繰り返し試行錯誤することなしに人生は好転しない。
できない理由を並べ立てるのではなく、どうやったらできるのかを考える。
勉強や仕事は自分の人生をよくするための手段なのだよ。
ごちゃごちゃ言ってないで早よ別業種のバイト応募せえやと呆れながら読んでたら結構あっさり読了。
これくらいのボリュームの作品はなんだかんだ言って読みやすい。
それにしても、私自身は気づいたら金爆ファン歴10年くらいになるのだが、この本を読むまで自分のしていることが「推し活」と呼ばれるものだと気づいてなかった。。
恥ずかしい、人のこと言えんやん。
2013年の紅白を見ていなかったら金爆ファンになってなかったかもしれない。
真っ暗なトンネルの中で一人で税理士試験の勉強をしていた夢も希望もなかった時期を乗り越えられたのは金爆のおかげなのである。
あの頃全く想像だにしなかった未来を今生きている。
私の推しも一時期燃えてたなぁ。
なぜ推しは燃えるのでしょうか?それは、人間だからだよ。
大河ドラマっぽくまとめてみた。